どーもー!マックスです!
車椅子の購入を検討する際に

どうやって選べばいいの?

どんな車椅子がいいの?
と悩まれるかと思います。

乗れたらなんでもいいんじゃない?
と考えられている人は

ちょっと待ってください!
しっかり車椅子選びをすると、その方に合った適切な車椅子を使用することができますが、適切でない車椅子を使い続けると以下のようなデメリットの連鎖が起きます。

適切でない車椅子はご本人だけでなく、介助者にも肉体的負担・精神的負担を与えます。
適切でない車椅子を使い続けるデメリットと適切な車椅子を使うメリットは別記事で詳しく解説していますので、よろしければこちらも合わせてご確認ください。
車椅子は決して安価なものではないため、購入する際は失敗したくないですよね。
適切でない車椅子を使い続けると上記のようなデメリットがあったり、車椅子の乗り心地が悪いと感じられたりします。このような思いをしないためにも、購入する前に車椅子の選び方を知っておく必要があります。

- 購入とレンタルどちらがいいのか?
- 車椅子を買う前に確認すべきこと
- 失敗しない車椅子の選び方
車椅子の購入を検討している方は是非最後まで読んで頂き、適切な車椅子を購入してください!
車椅子をすでに購入した方も、今の車椅子は適切かを確認したり、買い替えの際にご活用ください!

超簡単な選び方も最後に紹介しています!難しい話はいらないという方、前半をスキップしてください。
車椅子にまだ触れたことがない、まずは初歩的な知識から付けたいという方は、別記事【車椅子基礎知識】からご覧頂けると分かりやすいかと思います。
文献や人によって車椅子の各部名称が異なることがあります。本記事では車椅子の各部名称を図の通りに統一させますのでご参照ください。

各部名称 | 解説 |
---|---|
背シート | 背もたれ |
肘掛け | 肘を掛けるところ |
座シート | 座面のシート |
フットサポート | 足を乗せて支えるところ全体 |
フットプレート | 足を乗せる板 |
レッグサポート | 足が落ちないように支えるベルト |
手押しハンドル | 介助者が操作する時のハンドル |
介助ブレーキ | 手押しハンドルのブレーキ |
後ろタイヤ | 車椅子の起点になるタイヤ |
ハンドリム | ご自身で操作する時の漕ぐ輪 |
パーキングブレーキ | 左右にそれぞれある駐車ブレーキ |
ティッピングレバー | 段差を越える時の介助者の足掛け |
前輪キャスター | 自在に回転するキャスター |
車椅子を使いたい。レンタルと購入どちらがいい?
介護保険の申請をし、要介護2以上の認定が出ている方はレンタルがおすすめです。最新の車椅子や多種多様な車椅子を格安でレンタルすることができるからです。

要介護1以下の方や、そもそも介護保険の認定を受けていない方はレンタル料金が高額であったり、レンタルできる車椅子の種類が限られていたりします。その場合は下記を比較し、どちらがご自身に合うかご判断が必要です。
どのくらいの期間使用する?
→短期間:レンタルの方が低コスト
→長期間:購入費用の方が安い?
選べる車椅子の機種は?
→レンタル:少ない?多い?か確認
→購入:金額はピンきりだが多い

レンタルの場合は、専門家が最適な車椅子を提案してくれます!
レンタルをおすすめする理由としては、以下のような多くのメリットがあるためです。
- 月額の料金で手軽に使い始められる
- 故障したときはレンタル業者が修理、交換を行う
- 使わなくなったら返却すればOK
(撤去の手間がない) - 合わない場合は別の機種に交換できる
- 福祉用具専門相談員に相談できる
- 洗浄・消毒されているが、誰かが使った中古品である

また、一時的に怪我をされた方や、持病による体の状態の変化がある方は、その都度最適な車椅子に見直すことができます。
- 使う頻度が増えたのでもう少し座り心地のいいものにしたい!
- 状態が良くなったので自分で操作できる車椅子に変更したい!
- 外でしか使ってなかったが、今後は家の中でも使いたい!
etc…
上記でレンタルよりも購入にメリットを感じられた方や、新品のものを購入したいという方、レンタルできるが知識として知っておきたい方に向けて、次は本題である車椅子を購入する時の選び方について解説します。
車椅子選定前に考えること
事前の確認項目は以下3つです。1つずつ詳しく解説していきます。
- 目的と用途を考える
- 車椅子を使う方の身体状況、自立度、体格を把握
- 予算を決める
目的と使用用途を考える
まず初めに車椅子をなんの為に使用するのか、どこで使用するのか、どの様に使用したいのか、使用する目的と使用用途を言語化して整理します。
(なんのために)(どこで)(どのように)
- (通院のために)(外で)(自分で操作して使用したい)
- (ベッドから他へ移動するために)(家の中で)(介助者が操作して使用したい)
上記以外にも車に積んで遠出したい、外と中で兼用したい等の使用用途があれば、それらも含んでください。

目的、使用用途によって必要とする車椅子の機能はそれぞれ異なりますので、次はそれらに応じた機能をピックアップします。下記の質問事項で車椅子の機能を参考にピックアップしてください。


車椅子の機能を知らないという方は、他にもいろんな機能やその使い方を別記事で詳しく解説しています。よろしければそちらをご参照ください。「【車椅子基礎知識】使う前、買う前に確認!車椅子の各部機能を解説」
すべての要望を叶えられる車椅子がない可能性もありますので、その場合は優先順位を付けて優先度の高い機能付きで選ぶようにしてください。
個人的には車椅子の柄や色もご本人のお好みで選びされることをおすすめします。

お気に入りの洋服だと出かける意欲も増しますよね。車椅子も同じで、色や柄、形や座り心地、ご本人の好みも大切な車椅子選びのポイントです。
身体状況、自立度
身体状況は拘縮があるか、骨の突出や、腰痛等があるかで快適に車椅子に座れる必要な機能を選択します。
自立度に関しては、介助が必要な場合、介助者の視点から考えることも必要です。介助しにくい車椅子を選択すると、介助者のストレスや腰痛の原因にも成りかねます。


車椅子の機能を知らないという方は、いろんな機能やその使い方を別記事で詳しく解説しています。よろしければそちらをご参照ください。「【車椅子基礎知識】使う前、買う前に確認!車椅子の各部機能を解説」
車椅子を使う方の体格
車椅子を使う方の体格によって、車椅子各部の適切な長さや高さがあります。それについて図を用いて解説します。
※車椅子各部の適切な長さや高さは、ネットで検索頂いても推奨寸法が文献や人によって若干異なります。本記事では色んな文献の中央値や、僕の経験から算出した推奨寸法となります。

座幅
車椅子座面の幅(座シートの幅)を座幅といいます。
座幅の適正寸法は車椅子に座ったときに、肘掛けの下にあるプレートと腰の隙間が左右それぞれ2cm近くの余裕があると適切です。

細かく測定しなくても、パーの形の手が腰とプレートの隙間に入るくらいの余裕があれば問題ないです。
この座幅が狭すぎると車椅子の座り心地が窮屈になり、反対に広すぎると姿勢が崩れやすくなります。また、自走式の場合はハンドリム(自身で操作する時に漕ぐ輪)に力を伝えにくくなります。

座面奥行き
座面シートの前から後ろの長さを座面奥行きといいます。
車椅子に座ったときに膝裏と座シート前端が2〜3cm離れた距離が適正です。

簡単な測定方法として、チョキの手の指が膝裏と座シート前端の間に入るくらいの隙間です。
座面奥行きが長すぎると、フットプレート(足を乗せる板)に足が届かなくなります。これでは足が疲れるのでなんとかプレートに足を乗せようとお尻をずらし、前ずれの体勢になります。

反対に座面奥行きが短すぎると太ももで体重を受ける面積が小さいため、お尻にその分の負担が掛かります。
背シートの長さ
背もたれのシートを背シートといいます。
車椅子に座ったときに肩甲骨の下端部までが背シートの適正長さです。肩甲骨に背シートが被ると肩の可動域が制限され、腕が動かしにくく、自走する場合も車椅子操作がしにくくなります。

肩甲骨と背シートが被る場合、背張り調整機能付きであれば、肩甲骨部分の張りを緩めてあげることで、肩の可動制限を少なくすることができます。

手押しハンドルの高さ
介助者が車椅子を操作する時に使う持ち手を手押しハンドルといいます。
手押しハンドルは介助者の肘が軽く曲がる程度の高さが適正です。

目安としては介助者のへその位置が手押しハンドル高さであると力が入りやすいとされています。
手押しハンドルの高さを調節できる車椅子もあります。
前座高
床から座面前端までの高さを前座高といいます。
前座高は膝から足底までの長さにプラス5cmほどが適正高さです。足漕ぎされる場合は0〜2cmプラスを目安としてください。

足をフットプレートから降ろした時に、かかとが若干浮く高さが目安です。
クッションを使用される場合はクッションの厚みも考慮して高さを選定してください。

肘掛け高さ
肘掛けは90°に肘を曲げた高さが適正です。高すぎると窮屈な姿勢になり、肩も凝りやすくなります。反対に低すぎると前屈姿勢になりやすく、横にも体が傾きやすくなります。

肩が上がりすぎず下がりすぎず、自然に肘を掛けられればOKです。
クッションをご使用される場合はクッションの厚みも考慮して高さを選定してください。

フットサポート長
足を乗せて支えるところの長さをフットサポート長といいます。
太ももが軽く座シートに触れる長さが適正です。また、フットサポートは床から5cm以上離れている必要があります。これは段差などにフットサポートが引っかからないようにするためです。

フットプレートにかかとが乗って、太ももの裏全体が座面に乗っている状態を目安としてください。
「座面奥行き」で解説したのと同様に、フットサポートが長すぎると足がフットプレート(足を乗せる板)に着かず、前ずれになってしまいます。反対にフットサポートが短すぎると、太ももが座シートに着かず、体重をお尻だけで支えるようになります。

その他
体格に合わせた適正寸法を解説しましたが、お好みや個人差はありますので、1番大切なのは車椅子に乗る方の乗り心地です。適正寸法は参考にし、お好みに合わせて微調整をして頂ければと思います。

また、各部の適正寸法をすべて叶えることができる車椅子は存在しない可能性が高いです。車椅子メーカーでは日本人の標準サイズで車椅子を作られていることが多く、身長や体格がばらばらな皆さん一人一人の適切な寸法では作られていないからです。
適切な寸法でない車椅子の解決策は主に以下です。
- 多少は誤差範囲と割り切る
- クッションなどを活用する
- モジュール車椅子を活用する
- オーダーメイドで車椅子を作る

業界では足りない箇所をクッションやタオルで補うという方法を取ることが多いです。車椅子専用のクッションはそれ以外にも使用するメリットがたくさんありますので、気になった方は車椅子クッションについて解説している別記事も合わせてご確認ください。
予算
車椅子購入に出せる予算はいくらか。もちろん機能が多ければ多いほど金額は高くなります。絶対に必要な機能や、優先すべきものを決めて予算内での購入を検討されると良いかと思います。また、今後状態変化によって必要な機能が増える可能性も考えられますので、ある程度将来性を見込むことで買い替えのリスクを軽減できます。

レンタルの場合は現状必要な機能のみで選定するのが良いと思います。必要のないオーバースペックではレンタル料金も高くなり、重量も重くなります。
【時間のない方に】超簡単!最低限の選定方法
以上、適切な車椅子の選定方法を細かいところまで解説しました。
「細かいところまで確認するのは面倒!」
「もっと簡単な選定方法を教えて!」
という方向けに簡単な車椅子選定方法をご紹介します。最低限の確認項目に厳選しました。
確認①車椅子のサイズ2箇所

肘掛けの高さと前座高は最低限確認してください。
- 肘掛けの高さ:肘を乗せた時に肘が90°になる高さ
- 前座高:ご本人の膝から足までの長さ+約5cm
※クッションを使用する場合は肘掛けの高さと前座高にクッションの厚み分もプラスする
これまで色んな適切なサイズを解説してきましたが、上記2つは特に重要です。
- 座幅
- 座面奥行き
- 背シートの長さ
- 手押しハンドルの高さ
- 前座高
- 肘掛けの高さ
- フットプレート長
確認②機能の選択
下記質問事項にご回答頂き、車椅子のおすすめ機能をご検討ください。必須ではありませんが、おすすめ機能は付いていると車椅子の使用感が格段に違いますので、予算に問題なければご検討してみてください。

確認③おすすめ車椅子
上記①、②でご確認頂いたサイズや機能で、いざ車椅子を選ぼうとすると、車椅子の機種がかなり多くて見つけるのも大変になるかと思います。その時は本ブログのおすすめ車椅子の記事を参考にしていただければと思います。おすすめ車椅子は今後どんどん増やしていきますが、ご希望などあればお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は失敗しない車椅子の選定方法を解説しました。購入後に後悔しないためにも車椅子の選び方の参考にしてください。
繰り返しになりますがご本人が座り心地がいい、乗りやすいと感じる車椅子が適切です。本記事の知識だけでなく、ご本人のご意向確認や可能であれば試乗の検討もお忘れなく。

このブログを参考に少しでもだれかの生活に笑顔が増えると嬉しいです。読んでくれてありがとうございました。
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