その車椅子の乗り心地いいですか?適切な車椅子の選定が必要な5つの理由

どーもー!はじめましてと、こんにちはと、こんばんは。マックスと申します!

この記事では適切でない車椅子を使い続けるデメリット適切な車椅子を使うメリットを解説し、車椅子の適切な選定が必要な理由をお伝えします。

適切な車椅子の選び方を知りたい方は別記事で解説していますので、そちらも合わせてご確認ください。「福祉用具のプロがお教えする失敗しない車椅子の選定方法

僕は年間100件以上の新規高齢者宅や施設へお伺いし、様々な福祉用具や住環境整備のご提案を行っています。

そこで車椅子のご提案や選定をすることも多いのですが、すでにご自身で購入された車椅子をお持ちの方や、施設の車椅子を使っている方を見受けると、「その方に合っていないなー」と感じることが多々あります。

適切でない車椅子を使い続けると、体が痛くなったり、骨盤が歪んだり、ご本人の体へ様々な悪影響を与え、それにより意欲低下やネガティブな思考へと気持ちの面でも悪影響を与えます。

このような状況では介助量が増えて、肉体的にも精神的にも介助者に疲れが蓄積されます。

適切でない車椅子のデメリット
  • ご本人への肉体的・精神的負担増加
  • 介助者への肉体的・精神的負担増加

反対に適切な車椅子を使うと、ご本人の体への負担が軽減し動きやすさが増すことで、表情が明るくなったり活動的になります。

そうすることにより、介助の負担が軽減し介助者の肉体的・精神的負担も軽減されます。

適切な車椅子のメリット
  • ご本人への肉体的・精神的負担軽減
  • 介助者への肉体的・精神的負担軽減

車椅子の適切な選定が必要な理由は以下5つだと考えます。

  1. 体への悪影響を防ぐ。
  2. 意欲のある活動的な生活を送られる。
  3. 介助者の負担軽減。
  4. 車椅子本来の機能を発揮する。
  5. 笑顔になる。

この記事では適切な車椅子の選定が必要な理由を更に詳しく解説していきます!



本ブログは福祉用具のプロである僕が車椅子について(特に高齢者の方に特化して)解説することで、ご自身に合った車椅子を皆さんに見つけて頂きたく思っています。

そしてご本人やそのご家族など介助している周りの方々の笑顔が一つでも増えることを願っています。

このブログで分かること
  • 車椅子をこれから買いたい!でもどんなのがいいの?
  • 今使ってる車椅子の乗り心地が悪い。なにか対策はない?
  • 車椅子の介助が大変。姿勢崩れが多く、車椅子も重くて大きい。どうしたらいいの?
  • 車椅子のことを学びたい!
    etc…

上記以外にも車椅子使用者の方、介助している方のお悩みや疑問を解決できる記事を更新していきます!是非他の記事もご参照ください。

「車椅子は高いので今更買い替えは難しい。」と思われた方もご安心ください!車椅子を買い替えず、カスタマイズできる方法もご紹介しています。

適切でない車椅子を使い続けるデメリット

車椅子をすでに購入された方、これから購入を検討されている方で「車椅子は乗れたらなんでもいい。基本的な機能さえあれば安価なものでいい。」と考えられている方はいらっしゃいますでしょうか。

短時間の使用や、万が一の災害の備えで車椅子を購入するといった目的であれば、僕もその考えでいいと思っています。

しかし長時間の使用や、高頻度の使用を目的とされている場合は、しっかりご自身にあった適切な車椅子の選定をする必要があります。

適切でない車椅子を使い続けると以下のようなデメリットの連鎖が想定されます。

これら一つ一つを詳しく解説します。

デメリット①ご本人の肉体的負担増加

適切でない車椅子を使い続けると、車椅子上で姿勢崩れが起きます。この姿勢崩れから起きる様々な肉体的負担が体へ悪影響を与えます。

例えば、背中が曲がって”胸を圧迫され呼吸がうまくできない”であったり、体がずれ落ちないように”常に力が入って拘縮”したり、体の一部に負担が続き”床ずれが発生”したり、姿勢が悪いので”食事では喉を詰まらせる”と、多くの悪影響があります。

そもそもどうして姿勢崩れが起きるのか?

車椅子って大体どれも同じじゃないの?と思われた方は、以下を試してみてください。

どちらの姿勢も苦痛だと感じられると思います。これらは車椅子のサイズが合っていないと起きる姿勢です。

健常者の方は苦痛だと感じたとき、体勢を変えたり、ストレッチしたりすることができますが、車椅子使用者の方の中にはそれをご自身でできない方もいらっしゃいます

苦痛だと感じてもご自身で姿勢を変えられない為、少しでも姿勢を変えようと体をずらします。それが姿勢崩れです。

言い換えると姿勢崩れの多くは苦痛や不快感から逃れたいというサインとも言えます。

この苦痛な姿勢の原因の1つに車椅子のサイズが合っていないことが挙げられます。座面の幅が広すぎて横に傾いたり、座面の奥行きが長過ぎて足が着かなかったり、車椅子のサイズは使用者の方の体に合わせて選定する必要があります。

姿勢崩れの原因は車椅子のサイズ以外にもあります。それは詳しく別記事で解説していますので、よろしければそちらもご確認ください。

絶対に注意したい!車椅子の悪い姿勢〜たった2つの心がけ〜

デメリット②ご本人の精神的負担増加

ここでの「ご本人の精神的負担」とは、”意欲の低下”であったり、”ネガティブな思考”、”ストレスの蓄積”などのことです。「デメリット①ご本人の肉体的負担増加」で解説した体への悪影響気持ちや思考の悪影響にも繋がります。

●悪い姿勢は飲み込みにくく喉を詰まらせるだけでなく、腹部が圧迫されて食欲も出にくくなります。

●座っている姿勢が窮屈だったり体が痛いと、外出意欲の低下や動きたくない気持ちになります。また、姿勢が崩れた(綺麗でない)姿を人に見られたくないという気持ちも外出意欲低下に繋がっていることもあります。

●車椅子使用者だけでなく、悪い姿勢はうつ病を促したり、集中力の低下、ストレスが溜まりやすいと言われています。

長時間だらだら横になっていたら、外出する気がなくなったり、なにもやる気が出てこなくなった経験ありませんか?

適切でない車椅子はご本人に肉体的負担を与え、それが精神的負担を招きます。

デメリット③介助者の肉体的・精神的負担増加

ご本人の意欲が低下すると、自分でできることも介助者に頼ったり、自発的に動いたりリハビリをしなくなり、身体機能が低下します。

それによって介助量が増え、介助者の負担が大きくなります。

先程と同様に、肉体的負担は精神的負担を招きます

介助者も同様に疲労とストレスが蓄積されると、介護に嫌気が指すなどの気持ちのコントロールが困難になることもあります。

僕の経験ですが、介助者の方は自分のことを後回しにされる傾向が多く感じます。「やってあげたい」という思いはすごく優しい気持ちですが、介助者の方ご自身のことも大切にするのが介護の大事なポイントだと僕は考えます。

小さな積み重ねが気が付くと大きな負担になっていることはよくあります。介助者の方はどうか「自分が頑張らなければ」「やってあげなきゃ」と背負い過ぎないようにしてください。

そして介助しやすい車椅子、ご本人の自立をサポートする車椅子も車椅子選びのポイントです。

ご本人だけでなく、介助者目線での車椅子選定も必要

適切な車椅子を使うメリット

では適切な車椅子を使うとどんなメリットがあるでしょうか。基本的には適切でない車椅子のデメリットと反対の効果が得られます。

まずはご本人の肉体的負担が軽減されることで、精神的負担を軽減することができます。

体が痛いのがなくなったり、動きやすさが生まれることで動く意欲が出やすくなります。また、良い姿勢を保つことでポジティブな思考にもなります。(ex.自分でもできるかもしれない etc…)

それらによって介助量が減少し、介助者の負担も軽減されます。

次に実際の僕の経験談で、適切でない車椅子から適切な車椅子に再選定したときのご本人やご家族の変化についてご紹介します。

メリット①ご本人の肉体的負担・精神的負担の軽減〜実例〜

ご本人の肉体的負担軽減
  • 呼吸がしやすい
  • 骨盤の歪み、拘縮の防止
  • 食べ物、飲み物が飲み込みやすい
  • 床ずれの予防
    etc…

ご本人の精神的負担軽減
  • 食欲が出る
  • 外出意欲が出る
  • 活動的になる
  • ポジティブな思考になる
    etc…

●車椅子を再選定してご本人の変化で効果を確認できたお話です。

車椅子とは別件で高齢者の方の自宅に訪問していた時、その方の使用している車椅子をふと見ると、ご自身の体に合っていない大きめの車椅子を使用されていました。

ご本人もご家族もそれには気付かれておらず、あるものをとりあえず使っているという感覚でした。(このような状況はよくあることで、車椅子について学ぶ機会がなかったり、知識のある人に相談する機会がなかったケースです)

車椅子の再選定を提案し、ご家族も半信半疑ではありましたが、1週間お試しして頂くことになりました。

ご本人が新しい車椅子を気に入って下さったので、お試し後も再選定した車椅子をご使用頂くことになりましたが、それから数カ月後、ご家族からご本人の食べる量が増えたこと、外出もしてみようかなというお気持ちになられたことをお伺いしました。

また、それ以外にも一番嬉しく感じたのが、ご本人の表情が明るくなられたとご報告頂いたことです。

メリット②介助者の肉体的・精神的負担の軽減〜実例〜

介助者の肉体的負担軽減
  • 介助量が減る(移乗や排泄、食事etc…)
  • 体への負担を軽減できる

介助者の精神的負担軽減
  • ストレスが軽減される
  • 少し余裕が出る

●次も僕の経験談ですが、先程とは別件の方のケース

ご家族から車椅子の姿勢崩れが多いと相談を頂きご自宅を訪問しました。ご本人とお会いすると車椅子上の姿勢が崩れないように枕やクッションを背中・体の横、至るところへ差し込まれていました。しかしそれでも頻繁に姿勢崩れが起こり、その都度ご家族が姿勢を戻してあげている状況です。

ご本人だけでなくご家族の負担も多い状態でした。

まずはご本人に合うサイズの車椅子に交換を推奨し、補足で車椅子クッションもご提案。ご家族からは提案内容すべてご希望頂き交換対応をしました。

後日ご家族からご本人の姿勢崩れが少なくなり、介助量が減ったこと、ご本人が「痛い、辛い」と言うことも減ったとご報告頂きました。ご家族からは感謝の言葉を頂き、その時のご家族が笑顔だったことがなにより、交換してよかったなと感じた瞬間です。

適切でない車椅子が使用されている要因

これまで適切でない車椅子のデメリットと適切な車椅子のメリットを解説しました。このようなメリット・デメリットがある中で、なぜ適切でない車椅子を使用されている方が多くいらっしゃるのでしょうか。

このようなメリット・デメリットを知らなかったということもありますが、他にも要因があるのではと、僕なりに分析してみました。

①知識不足、専門家の助言を受けていない

車椅子がいざ必要となった時にネットやホームセンターでとりあえず購入されたケースはよくお伺いします。

その時に知識がないと、どうしても安価なものを購入されることが多く感じます。

また、「ただ乗れたらいい」という考えから、使用するご本人抜きでご家族が車椅子を決めたというケースもあります。

専門家の助言を受けて、車椅子を選ぶことができればいいのですが、助言を受けることができない場合もあるかと思います。

その時は本ブログをご活用ください!

僕は先程も述べました通り、短時間の使用や、万が一の災害の備えで車椅子を購入するといった目的であれば、特に難しく考えず安価なものでいいと思っています。

しかし長時間使用する予定の場合、最低限下記2つはご確認頂いた方が良いかと思います。また、試乗が可能であればご本人に一度試乗して頂くこともご検討ください。

車椅子のサイズ

洋服を購入されるとき、ご自身のサイズにあった洋服を購入されませんか?必要に応じて商品を試着してみたり、ネットで購入される場合も、サイズ感を確認されるかと思います。

それと同様で車椅子もその方に合うサイズを選ぶ必要があります。車椅子のサイズは確認項目が多いので、その中でも確認すべきサイズを厳選して2つに絞りました。

適切なサイズ
  1. 肘掛けの高さ:肘を乗せた時に肘が90°になる高さ
  2. 前座高:ご本人の膝から足までの長さ+約5cm

※クッションを使用する場合は適切な肘掛けの高さと前座高にクッションの厚み分もプラスする

適切な車椅子のサイズを他の項目も含め、イラスト付きで別記事で解説しています。もっと知りたい!という方は、よろしければ合わせてご確認ください。「福祉用具のプロがお教えする失敗しない車椅子の選定方法

車椅子のオプション機能

筆記用具を購入するとき、必要機能を確認されませんか?

例えばボールペンを購入する場合、書きやすさや、間違えた時に消せるもの、複数の色を使い分けできるもの、軽量のものが希望か。購入する人によって求める機能は変わってきます。

車椅子も同様に使用する方によって必要な機能が異なりますので、購入前に必要な機能を確認する必要があります。

車椅子の主なオプション機能
  • 肘掛け跳ね上げ:肘掛けが上げ下げできる機能
  • スイングアウト:フットサポートが取り外しできる機能
  • モジュール:座面の幅や座面の高さを変更できる機能
  • 背張り調整:背もたれの張り具合を調整できる機能
  • リクライニング:背もたれが倒れる機能
  • エレベーティング:フットサポートの角度を調整できる機能
    etc…


車椅子の機能は別記事「【車椅子基礎知識】使う前、買う前に確認!車椅子の各部機能を解説」で詳しく解説しています。

他の機能も確認したい方、その機能をどう活用するのか知りたいという方は、よろしければ合わせてご確認ください。

②確認項目が多い

上記で最低限①車椅子のサイズ②車椅子の必要機能はご確認頂いた方がいいと解説しましたが、その2点だけでも確認項目は多いです。

さらに細かいところまで選定しようとすると、確認項目がさらに増えます。また、今も新商品の車椅子がどんどん出てきており、選ぶ車椅子の機種も多いです。

ご本人の状態が変わると車椅子を見直す必要がある場合もあり、介護保険を用いてレンタルすることが可能であれば、専門家の助言を受けながら状態に合わせて交換ができる、レンタルがおすすめです。

介護保険を使用する場合、要介護2以上の認定を受けている方は、レンタル金額の1〜3割の負担でレンタルすることが可能です。

※要介護1以下の方でも、例外的に保険適用が認められる可能性がありますので、詳しくは担当のケアマネジャーへご相談ください。

しかし介護保険の対象でない方や、レンタルに抵抗があり購入を希望されている方もいらっしゃるかと思います。そんな方は上記の①車椅子のサイズ②車椅子の必要機能をご確認頂き、下記「目的別のおすすめ車椅子」を参照ください。

厳選したおすすめのみをご紹介していますので、気になるものをご参考にしてください。

③販売されている車椅子は、ほとんどが標準仕様

販売されている車椅子は多くの方が利用できるよう標準のサイズで作られているものがほとんどです。そのため、介護施設やレンタル業者が取り扱う車椅子で、その方に完全にぴったり合うものはほぼないです。

では適正なサイズの車椅子を使用することはできないのか。解決策は3つあります。

①オーダーメイドで発注

車椅子はメーカーにオーダーメイドで発注することができます。各部の寸法を要望通りに作ることができるので、その方にぴったりのものを購入することができます。

しかしデメリットとしては高額であることがあげられます。高額でもぴったりのものが購入したいという方はご検討してみてはいかがでしょうか。

車椅子各部の適正寸法は別記事「福祉用具のプロがお教えする失敗しない車椅子の選定方法」を参考にしてください。

②モジュール車椅子を活用

座面の幅や座面の高さを変更することができる車椅子をモジュール車椅子といいます。

ほとんどは3段階程度で変更することができます。ぴったりサイズではない可能性もありますが、適切なサイズに近いサイズに変更することができます。

標準の車椅子よりも若干価格が高くなったり、重さが増えることはデメリットですが、標準サイズでは合わない方、ご家族内で複数人の人が共有する可能性がある場合に有効です。

③クッションなどを用いてカスタマイズ

クッションやタオルなどを用いて車椅子の余りスペースを埋めたり、座り心地を向上させて車椅子をその方に合うようにカスタマイズする方法もあります。

介護施設では一番用いられる解決策です。レンタル業者もモジュール車椅子の活用やクッションなどを用いることで、その方に合う車椅子を選定しています。

一番安価で簡単な方法でありますので、すでに車椅子を持っていてサイズが合っていない場合は、クッションなどを活用してカスタマイズしてみてはいかがでしょうか。

また、クッションは車椅子のサイズを合わせる以外にも、車椅子使用者の姿勢を支えたり、座った姿勢を快適にするために用いられることがあります。どちらかというと車椅子専用のクッションなどは、この目的で使われることが多いです。

座った姿勢を快適にする姿勢作りは業界では「シーティング」と呼ばれ、豊富な知識や現場経験などが必要です。本ブログでは難しいところまでは解説せず、最低限の知識とおすすめクッションを解説していますので、車椅子クッションを使用してみたい方は下記記事も合わせてご確認ください。

まとめ

冒頭で述べました車椅子の適切な選定が必要な理由は下記5つです。

  1. 体への悪影響を防ぐ。
  2. 意欲のある活動的な生活を送られる。
  3. 介助者の負担軽減。
  4. 車椅子本来の機能を発揮する。
  5. 笑顔になる。

ここまで読んでくださった方は1〜3をご理解頂けたかと思います。適切でない車椅子はご本人の体に悪影響を与え、それが精神的にも悪影響になります。そしてそれらは介助者の負担にも繋がってきます。

「4.車椅子本来の機能を発揮する。」をここで簡単に解説します。まず「車椅子本来の機能」とは、安全・安楽に移動でき快適に座ることができるという機能です。

適切でない車椅子を無理に使用して、使用者にとっても介助者にとっても負担が大きいのであれば、それは車椅子ではなく、ただ人を乗せて運ぶだけの台車と同じです。

車椅子本来の機能を発揮させるためには適切な選定が必要になります。

そして最後に「5.笑顔になる」という項目は僕の経験談でもお話させて頂きました通り、適切な車椅子は使用するご本人はもちろん、その介助者、ご家族も笑顔にしてくれます

それが本ブログを始めたきっかけであり、本ブログの目的です。あなたにとって適切な車椅子が見つかりますように。

このブログを参考に少しでもだれかの生活に笑顔が増えると嬉しいです。読んでくれてありがとうございました。




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